シュクル・アン・ローズ(Sucre-en-Rose): panipopo & paniヴァンのこだわり

外国生活の長い日本人とフランス人カップルが、日本の片田舎にレストラン&ケーキショップを開店して…慣れない日本生活と初めてのお店に四苦八苦。試行錯誤で頑張ってます。

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特別メニューで漁師さんの伊勢海老を。

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伊勢海老の漁が解禁になって、ディナーによくお見えになられるNさんご夫婦のご主人から奥様のバースディのための特別メニューを頼まれました。それが伊勢海老です。(こちらの写真のものはクリスマスディナー用の写真撮影のために一緒に送ってもらったものです。尻尾を伸ばしてしまいましたが、まだ生きていて元気だったので、自然に尻尾は丸まっていました。)

漁師さんに欲しい時期を2週間前から頼んでおいて、一尾550g程度のものを二尾頼んでおきました。四国から活きたまま空輸されて、箱から出したら元気に『こんにちは!』でした。これにやや小ぶりのものを二尾と、クルマエビさんたちを頼みました。こちらも活きています。お刺身にしたら、最高でしょう。しかし、うちは和食ではないので、ちょこっとアレンジして昨夜のお客様たちにお出ししました。

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送られて来て2日目ですが、生きています。特に600gはあるだろう大きな方はまだまだ元気!うちでは、お客様のご要望にお応えするコースがあります。そちらは、おひとり様8,400円からです。伊勢海老はもちろん時価ですが、漁師さんから直接購入するので市場から買うよりは、安価な気がします。それでもやはり原材料としては大きさにもよりますが、高価でしょう。

こちらの二尾は、Nさんご夫妻にお見せしてから、調理法を2つ選んでいただきました。一尾はグリル、もう一尾はクールブイヨンで、中心を少し生のまま煮たものをお出しすることになりました。

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うちでは、アミューズ・ブッシュの前にプチ・サレ(小さな塩味)というものをランチにもディナーにもお出しします。そのプチ・サレの特別コースは、こんな感じに仕上げられました。(接写レンズで撮ってますので、画像でボケてしまう部分が出て来てしまいます)

先ほどまで生きていたクルマエビは頭の部分は素揚げに、そして胴体はやはりクールブイヨンで、さっと湯がいています。レモンバーベナで飾り、セサミ&ケシの実スティック、鯛、季節の野菜と柚子のジュレ、そして秋茄子ときのこのデュクセルがプチ・サレのお皿を飾りました。

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残念ながらグリルの方は私が忙し過ぎて、写真を撮れなかったのですが、クールブイヨンの方は撮れました。こちらはY君の担当。paniヴァンの指示通りにテキパキと動いてくれます。将来、素晴らしい料理人になることは間違いありません。今時の若い日本人男性は上司がやんわりと注意すると、泣くらしいです。それも子供のようにです。ホテルで料理長をしている方からお聞きしました。反対に若い女性のキュージニェール(料理人)たちは注意されると、きちんと対処してもっと根性を見せて頑張るそうです。これからの日本の世相を反映しているのでしょうか。Y君は、さしずめ一昔前の頑張る日本人男性です。ガッツがあります。これからの日本を背負う若い人たちは、やはり元気で前向きなのが一番ですね!

こちらはソースは柚子、白ワインと少しの発酵バターで。シンプルなのがベストマッチです。下のお野菜はセロリではありません。無農薬のフェンネルです。露地栽培で作られたものなので、霜が降りたら終わりです。なので、大量に仕入れて、枝の部分は今、乾燥中。うちでは何でも使えるものは最後まできちんと使います。特に有機や無農薬のものは皮も、そして枝や葉っぱまで使えるので便利です。うちの卵は有機卵ですが、そこの鶏たちは無農薬の青菜を餌の一つとして与えられています。そこの卵屋さんが作っている無農薬のお野菜を時々分けてもらいます。このフェンネルもそこからです。

Nさんご夫妻は、この伊勢海老2皿の別仕立ての前に、アンコウのソテーを魚料理としてお召し上がりになったのですが、そちらには栗のリゾットが添えられました。こちらのリゾットは絶品でした!Y君がお米は担当します。これはpaniヴァンはかないません。もちろん彼も美味しいリゾットを作るのですが、やはりY君は日本人、美味しいお米の国の生まれ育ち、素晴らしい味のまかない食(炊き込みご飯など素晴らしいのです!!!)も作るのですが、昨夜の栗のリゾットは最高でした。

お客様にすべてお出しして、残ったものが私に回って来て、あまりにも美味しさにこれだけでもいいなって、しみじみ幸せ~♪と思えました。笑

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こちらもLED照明の青白い光の下で撮ったので、あまりおいしそうには写ってないのですが、エゾジカ2種になります。メスのものです。昨日の夜に別の組のお客様たちにお出ししました。こちらはpaniヴァン担当です。やはり彼は、ジビエの国の人。特に十数年のミシュランの経験は違います。どのお客様も、うちのが最高に美味しいと言ってくださいます。合わせる食材の妙もあると思いますが。

手前はすね肉を赤ワインとハーブ+野菜で7時間ぐらい煮込んだもの、奥はポアレですが、焼き加減が大事らしいです。鹿肉はとてもヘルシーで、人間の体にも優しい肉なのですが、この焼き加減を間違えるとせっかくの食材が台無しです。今回は旬の山ブドウのソースと、何よりも地元、茨城の柿を付け合せました。近くに八郷の柿(石岡市)がありますが、とても有名で天皇陛下に献上される柿は毎年、この八郷から選ばれるのです。

鹿肉と八郷の柿、最高の組み合わせみたいですよ。私は食べさせてもらえないのですが、Y君とpaniヴァンは味見をしているので、そう言っていました。(ああ、一切れ食べさせてもらいたい~!)

いつものことですが、すべてのコースのお皿がきれいになって戻って来ます。うちでは、残飯が出ないことがうれしいことです。皆さん、パンをモップのように使って、お皿をきれいにしてくださることが多いです。うちは常連さんも多いです。ありがたいことです。昨日のディナーのお客様も、主賓の方々はすべてリピーターさんたちでした。『今日も最高に美味しかった!また来ます』という言葉と、きれいになって戻って来るお皿たちを見るのは私たちにとっても、とても嬉しいことですね。


昨日は終了したのが11時半。そこから速攻で近くのラーメン屋さんに寄って、ラストオーダーに間に合って滑り込みました。(私が最初に行って、みんなのオーダーをしていたのです。) そこで、Y君が『尊敬する料理人は手がみな大きい』と言ってました。そこでpaniヴァンの手を見ると、やはり大きいので、なるほどと肯いていました。

そして、Y君は『シェフは熱いものでも、平気ですよね。僕もかなり熱いものを持てるけれど、シェフにはかなわない。やはり銅鍋とか使っていた(持ち手の部分まで熱伝導で熱いので)からですか?』と聞くと、paniヴァンはそれもあるけれど、コミ(訓練が終わった料理人)時代のその昔、まだトゥール・ダルジャンが三ツ星だったころの修行で、何度もとても熱い鴨の脂でヤケドを負ってから平気になったと言いました。(これ、初耳!)

paniヴァンは基本的にはとても無口なので、何も語りません。時々、料理を通して出会った世界的に超有名人の話をポツリと語ることもありますが、私がせがんでも、何事もあまり語らないのです。

本当に彼の手は、厚いオーブンミトンを付けているのかと思うぐらいに、熱いものを持てます。時々、ミトンを探しまくる私にはうらやましいことです。


そんなpaniヴァンに昨日の午後、フランスの義母から電話がありました。私が出たのですが、電話口の義母の涙声で何か悪いことがあったと察しました。気丈で泣くことなどない彼女ですから、もしかしたらこの秋に2度の手術を受けた義父に異変があったのかと思いました。

それが、大好きな叔母の訃報だと知ったのは、本当にショックでした。まだ58歳の若さです。卵巣ガンから肺に転移していたのは分かっていたのですが、つい2週間前にその叔母が元気な声でpaniヴァンに電話して来たのが最期になってしまいました。虫の報せだったのでしょうか。つい昨日の朝、私もその大好きな叔母にフランスまで春に会いに行けたらいいなと思っていた矢先でした。

フランスの片田舎、強い訛りのある地方に異国の嫁が来て、みな私の話など分からないと聞いてもくれないのに、唯一、一番優しくいつも私の話すことを丁寧に聞いてくれて、会話の弾む叔母でした。日本に来て2年、時々電話をくれる叔母でした。闘病生活を4年以上続けていたのですが、太陽のように明るく素敵な叔母でした。

私も、ショックで、今でも彼女のことを思い出すと涙が止まりません。最初に訃報を受けたのは、私だったので電話口で泣く私にpaniヴァンも心配しました。

どんなにフランスに帰りたいことでしょう。家族や親族の結束が固いファミリーなので、なおさらかもしれません。

Y君も、家族旅行がなかったら、『僕がシェフをやります』と言ってくれましたが、paniヴァンは自分の責任を考えると動けません。それが海外生活をする運命でもあります。私も大学時代に同じようなことがありました。4年生の時に大好きな祖父が亡くなったのですが、大事な期末試験の最中で、よく考えてきっと祖父だったら、「試験を頑張りなさい」と言うと思えたので日本には帰国しませんでした。あの時のことは後悔しないと言ったらウソかもしれないですが、海外に生活することは、それ相当の覚悟はいつも必要です。

特に震災後はそう思うようになりました。paniヴァンも同じです。

情熱を傾けて頑張る仕事があるというのは幸いです。健康であることも幸いです。いつも私たちのことを気にかけてくれていたM叔母のことは忘れるわけがありません。いつも心の中で生きていると思って、日本で頑張っていこうとするpaniヴァンを私は応援して行きたいと思いました。(いつも寄れば、厨房で小さな衝突ばかりですが…苦笑)






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テーマ:美味しいもの - ジャンル:グルメ

  1. 2012/11/18(日) 06:03:38|
  2. 食材
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Author:Sucre-en-Rose
日本の田舎に海外生活の長~い日本人とフランス人カップルがレストラン&パティスリーショップを開店。フランス帰国後の慣れない日本生活と開業に四苦八苦。こだわりを持てば持つほど、大変だけれど、そんなこだわりを見せながらミシュランスターシェフ経験を持つpaniヴァンとお菓子の夢先案内人、panipopoがつぶやきます。

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 レシピブログの『おまかせ!みんなのおうちごはん2011年』(講談社)版で、巻頭インタビュー&レシピを公開しています。

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 で2010年7月にインタビューされました。

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